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症例紹介

二人目不妊 第一子帝王切開後の化膿あり。

【症例134】 27歳、 女性
やせ型

症例キーワード: 不妊

主訴

不妊。
一人目は自然妊娠にて簡単に妊娠できた。ただし、帝王切開で、このときの傷口が化膿し、しばらく痛みが続いた。現在は治癒。
月経周期は28~42ほど。基礎体温は高温期が短くかつ、36.7℃を超える日が5日ほど。

全身症状
寒熱 冷え性が強く、冬は靴下2枚履きで布団に入る。冷えのぼせあり。
二便 大便:1日1回、普通便
小便:1日6~7回(夜間排尿0)
飲食 食欲:平
飲水:平
全身 平素からつかれやすい
浮腫 なし
睡眠 良好
心神 良好
普通
頭痛:なし
胃腸 良好
目・耳・鼻 良好
月経 月経周期(35~56日)、期間(5日間)、経血量(普通)、経痛(なし)
舌質:淡、舌尖に瘀点あり
皮膚 高校から現在もシモヤケが足指10本にできる。
体型 やせ型
血圧 90-40

経過・結果

【第1診】

二人目不妊には必ず「血瘀(けつお・古い血の毒)」が関与していると考えてよい。さらに本案においては帝王切開後の化膿の履歴がある。現在、腹痛などの症状は消失しているものの「微細な細菌感染」が残存していてこれが妊娠を阻害している可能性もある。また基本的は体質は「冷え性」が強くシモヤケが特徴的である。血瘀に芎帰調血飲第一加減、微細な感染に竜胆瀉肝湯、冷え性に当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いることにする。

処方1)

芎帰調血飲第一加減(2.5/7.5g)+竜胆瀉肝湯(3.0/9.0g)+当帰四逆加呉茱萸生姜湯(3.0/9.0g) 分2 14日分

【第2診】

服用後、手足の温感が上がる。朝の元気も向上してきた。

処方1)×14日分

【第3診】

月経あり。50日目、6日間。経血(以前は淡紅色だったが今回はきれいな赤色)。基礎体温表は自然排卵あり。高温期は超36.7℃×7日間。元気が出てきて体調良好。

処方1)×28日分

【第4診】

自然妊娠したとの連絡あり。

妊娠中は安胎薬(流産予防薬)の継続服用を勧める。

処方2) 当帰芍薬散(4.5/9.0g) 分2~

考察

2か月ほどの漢方薬で妊娠成功に立った例である。
二人目不妊は非常に多い。その原因は上記した通り第一子の妊娠出産時の「瘀血(悪い血)」の蓄積と、出産時の「感染」である。特に帝王切開後は考慮しなければならい。
出産時以外でも子宮の「軽微な感染」は起こりうる。たとえば、カンジタ、クラミジアの治療後、子宮内膜の掻爬後・吸引、子宮筋腫・子宮内膜症・ポリープなど子宮の外科的手術後など。
これらは「慢性子宮内膜炎」と呼ばれ不妊の原因となりうる。症状は黄色のオリモノや月経の変調などが現れることがあるが、無症状のことも多く見過ごされやすい。
このような背景を考えると芎帰調血飲第一加減+竜胆瀉肝湯は不妊治療における非常に優れた漢方処方といえる。

不妊のあらまし

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