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症例紹介

しもやけ

【症例10】 58歳、 女性
身長155センチ、体重44キロ。痩せ型。

症例キーワード: 皮膚

主訴

 以前からできていたがここ五年ほど前から悪化してきた。毎年11月ごろにはでき始め、翌年の4月ごろまで続く。手指はほぼ十指とも、足指は小指の外側のみ。全体的に暗赤色になり、所々ひび割れたり皮膚が崩れたりする。痛痒さを伴う。今はまだ出来ていないが、きっと今年もできるだろうからそれに先駆けて治療したいとのこと。
<病歴>
 子宮筋腫・痔核・下肢静脈瘤の手術の履歴あり。

全身症状
寒熱 手部・足部は冷えるが、全体には冷え性ではない。冷えのぼせはない。
二便 大小便ともに問題ない。
飲食 食欲・飲水ともに平。
月経 47歳で閉経。有経時は月経痛が強かった。
舌質:暗赤色、舌苔微白・滑

経過・結果

第1診

患部の症状(暗赤色、寒冷により悪化)と全身症状(病歴、舌質)から寒凝血瘀と考え、散寒祛瘀すべく

処方1)当帰四逆加呉茱萸生姜湯合桂枝茯苓丸料加黄耆・附子を投与(8/19)。また外用として紫雲膏を1日2回塗布。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯合桂枝茯苓丸料加黄耆・附子
当帰(酒洗)3.0、桂皮(ベトナム)3.0、芍薬(酒炙)3.0、大棗4.0、甘草(炙)2.0、木通3.0、乾生姜1.0、呉茱萸2.0、細辛2.0、黄耆(生)4.0、附子(白河)1.0

第2診

現在しもやけはできていないが患部の赤黒いシミはこの時期も残っている。服薬後、28日ほどでわずかにこのシミが薄くなってきている。そこでこのまま

処方1)を継続服用(9/22)。

第3診

1月中旬にやはりしもやけが出来たが、例年よりも発症するのが遅く、かつ程度も軽くてすんでいる。そこでこのまま処方1)を継続投与したところ、しもやけは横ばいで経過し、例年より一ヶ月ほど早く3月末には消失し、赤黒いしみは非常に薄くなっている。この後、服用に便利なエキス散(当帰四逆加呉茱萸生姜湯合桂枝茯苓丸料・各満量)を1年半服用し続け、結果3年目の冬には全くでなかった。赤黒いシミもほとんど目立たないほどに回復した。この後も再発予防のため少量を服用している。

考察

 しもやけに当帰四逆加呉茱萸生姜湯、定番どおりの選択である。今回の治療ポイントは、血瘀の程度が強かったので桂枝茯苓丸料を合方したことと、症状が緩解した後も長く服用を継続させたことにある。しもやけは(当帰四逆加呉茱萸生姜湯などで)一旦治っても翌年寒くなるとまたすぐ発症することが多く、根治するためには辛抱強く服用を続けなければならない。黄耆の加味は細野史郎著『方証吟味・静脈炎』に倣ったもので、生肌作用の応用である。

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