ホットフラッシュ
【症例80】 52歳、 女性
身長152㎝、体重51㎏、未婚。
症例キーワード: 発汗
主訴
更年期におけるホットフラッシュ。1日に数回、不定期に体がカッと熱くなりその後発汗して落ち着く。また、夜中にも同様の症状で目が覚め、熟睡できずにいる。病院で加味逍遙散をもらい半年ほど服用を続けているが効いている様子はない。
全身症状
寒熱 | 冷え症、特に足首 |
---|---|
二便 | 大便2日1行。 小便1日7~8行、夜間0行、色・量ともに平。 |
飲食 | 食欲(平)、飲水(平) |
全身 | 良好 |
胸腹 | 胃潰瘍歴あり、経前乳脹あり |
浮腫 | なし |
睡眠 | 不眠ぎみ |
心神 | 良好 |
汗 | 発は多汗傾向 |
口 | 良好 |
頭 | 良好 |
目・耳・鼻 | 良好 |
月経 | 周期(不定)、経期(不定)、経痛(-) |
舌 | 舌質胖・舌尖瘀点あり、舌苔潤 |
嗜好 | 飲酒(-)、煙草(-) |
皮膚 | 色白 |
体型 | 普通 |
四肢 | 良好 |
経過・結果
第1診世間一般では、更年期のホットフラッシュには加味逍遙散が効くということになっているらしい。ただ今回の場合、半年続けて改善が見られないのでこれ以上服用を続けてもどうであろうか…。 処方1)半夏厚朴湯加山梔子・黄芩・連翹・枳実 14日分 |
第2診ホットフラッシュ50%ほどに改善、夜中に起こることも少なくなり睡眠良好。 処方1) do. 14日分 |
第3診良好 処方1)do. 14日分 |
考察
更年期障害のホットフラッシュは閉経期に起こるホルモンの乱れに起因する自律神経失調のひとつである。漢方的には「気」あるいは「気血」の乱れとしてとらえることが多い。ホットフラッシュの治療において、理由はわからないが、当薬局では加味逍遙散がうまくいったことがなく、多くの場合上記半夏厚朴湯加味で効果を収めている。
類似する症例
-
【症例98】 45歳、 女性
自律神経失調症。
4ヵ月ほど前のこと、歯科にて奥歯の治療中、突然過呼吸症状をおこす。その症状は、手足のしびれからはじまり、だんだん動悸が激しくなり、その動悸の音が耳まで大きく響き、ついに呼吸が苦しくなってしまう、といった具合だった。これ以後ことあるごとに、動悸発作とこれに伴う息苦しさ、不安感、手指のしびれ・震え、めまい、のどの渇き、後頭部の発汗(お風呂から上がった時のようにびっしょり...もっと見る -
【症例70】 17歳、 男性
口渇と身熱。口渇は3ℓ/日以上で喜冷飲。身熱は全身性に熱くなり、全身性の発汗を伴う。常に熱いわけでなく、授業中や運動後に発作的に体が熱くなり、発汗を伴い、この後口渇が起こり水をがぶ飲みする。これらの現象は夏季に好発する。身熱後でなくとも食事の時の飲水は多い。頭痛を伴うことが多い。病院検査では異常なし。
発症のきっかけは不明。高校に入学したころからか?...もっと見る