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症例紹介

夜勤明けの吐き気

【症例107】 31歳、 女性
身長158cm、体重53㎏。面立ちはふっくらしているが、体はがっちりした感じ。

症例キーワード: 吐き気

主訴

夜勤明けの吐き気。
 看護師をしている。夜勤が終わる(午前4時ごろ)と疲れと緊張から解放されたせいか吐き気が起こり10回前後えずいてしまう。食事のタイミング・内容とは関係ない。発症後は半日食事ができない。嘔吐はない。夜勤は1~2回/週で、そのたびにこれらの症状が必ず起こる。本人曰く「夜勤が怖い」と。発症してから3年ほど経過している。体重の減少はない。病院にて検査したが器質異常はない。血液検査も異常を認めない。ナウゼリン、プリンペラン等服用したが無効。

全身症状
寒熱 冷え(冬は下肢が冷える)、のぼせ(−)
二便 大便:やや下利しやすい。
小便:5~6/日、量平、色平。
飲食 食欲:平。
飲水:平。
全身 倦怠無力(−)、容易感冒(扁桃腺が腫れ、高熱が出やい)、車暈(+)
浮腫 下肢に少し
睡眠 良好
心神 動悸しやすい
疲れると汗ばみやすい。
頭痛(−)、肩こり(−)。
月経 周期(32~35日)、経期(6~7日)、経痛(開始1日目にあり。鎮痛剤使用)、経血(色:暗紅、量:平)、血塊(多)。
舌質平、舌苔無。
皮膚 皮膚はやや萎黄を帯びた青白色。原因不明の蕁麻疹が過去数回出たことがある。虫刺されの後が残りやすい。

経過・結果

【第1診】

 「飲食平」「悪心発症と飲食とが無関係」から脾胃由来の悪心を否定。面色、扁桃腺が腫れやすい、皮膚病(蕁麻疹・虫刺され)などから柴胡体質が基本にあるものと考えられる。また悪心には半夏を基本に用いる。つまり柴胡類方の中で半夏を配合する処方が候補に挙がる。以上より、「…往来感熱、胸脇苦満、黙々として飲食を欲せず、心煩喜嘔…小柴胡湯主之」と考え小柴胡湯を用いることにする。

処方1)OTC小柴胡湯(標準処方の1/2量) ×20日分

【第2診~】

 服用開始4日目が夜勤であったが悪心なし。その後も服薬中は悪心起こらず。1瓶飲み終えてそのままにしていたら1週間ほどして再発。慌てて来局。「最低3ヵ月は飲み込み、その後漸減しましょう」と治療計画を伝える。

処方1) do. ×20日分~

 

考察

吐き気は意外と難しい。食事(内容、空腹時・食後の発症)に由来する場合は半夏瀉心湯、六君子湯、呉茱萸湯等、ストレス由来は半夏厚朴湯などを基本に用いている。本案においてはいずれも該当しないので体質からアプローチしたが結果としてはこれが効果を収めた。小柴胡湯が有効であったことから、疲労と緊張による一過性の肝臓の代謝機能障害が原因であったのであろうか。小柴胡湯は消炎剤、向精神剤、胃腸剤としての使い方がある。基本的にはそれぞれ独立した使い方である。慢性の場合、多くは「柴胡体質」を基本に持つ。

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