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症例紹介

頭痛

更年期における頭痛・肩こり・目の奥の痛み

【症例114】 46歳、 女性
身長155cm、体重45㎏。やややせ型。

症例キーワード: 頭痛

主訴

頭痛。
片頭痛と筋緊張性頭痛との混合型(片頭痛>筋緊張頭痛)。
30歳前半から発症したが、出産後さらにひどくなり今日に至る。
頭痛は疲労時、陰天時、月経前。また冬季、特に2月のころが一年で最も頻発し、この時期はほとんど毎日(1~2回)鎮痛剤を服用している(体が冷えてくると頭痛がおこる)。頭痛が強いと悪心・嘔吐(酸水~苦水)を起こすことがあり、これには大正漢方胃腸薬がよく効くとのこと。
<病歴・併病>
乳がん手術
上室性頻脈症
自律神経失調症(動悸・不安)
3年前、胆石様疼痛で苦しんだことがある。但し胆石はない。

全身症状
寒熱 さむがり、冷え性で、冬は靴下寝。冷えのぼせ(−)
二便 大便:1日1回。
小便:7~8/日、量平、色平。
飲食 食欲:平。
飲水:平。
全身 倦怠無力(+)、容易感冒(+)⇒咽痛
浮腫 なし
心神 動悸を起こしやすく、これに伴う不安感あり。
ほとんど出ない。
月経 周期(31日)、経期(7日:産後3日間だったが「婦人のめぐり(芎帰調血飲第一加減)」服用で7日間に伸びた)、経痛(−)、経血(色:深紅、量:平)、血塊(微)。
暗黄色
舌質暗紅、舌苔微白。
皮膚 アザができやすい、静脈瘤(−)
四肢 腰痛(−)、肩こり(++)、鼠蹊部痛(−)

経過・結果

【第1診】

上室性頻拍症と自律神経失調症の心悸などから心の気滞血瘀が基本にあり、これが頭痛に派生したものと考え血府逐瘀湯を投与。

処方1)血府逐瘀湯5.0/7.5g 分2 14日分

【第2診】

頭痛改善なし。そこで下肢冷・嘔吐苦水から胆寒と考え呉茱萸湯を投与。

処方2)呉茱萸湯6.0/6.0 分2 14日分

【第3診】

頭痛改善なし。鼻炎(くしゃみ・清涕)が出ると決まって頭痛になる。また、もともとケロイド体質であったが産後さらにひどくなった。そこで、産後の血瘀及び鼻炎が頭痛に影響しているものと考え、さらに過去に芎帰調血飲第一加減で体調改善があったことから芎帰調血飲第一加減合当帰芍薬散とする。

処方3)芎帰調血飲第一加減4.0/7.5g+当帰芍薬散4.5/9.0 分2 14日分

【第4診】

頭痛は2/3程度に改善。月経あり、経血量(→)、経血(粘→サラサラ)、鼻炎(→)、動悸・不安感(↓)。鼻炎の改善がないので、ここで直接風寒を取り除くべく麻黄附子細辛湯を併用することする。心悸を考慮し別包とする。

処方3 do.               14日分 

処方4)麻黄附子細辛湯1.0/4.5 分2   14日分

【第5診】

頭痛3日/14日間、閃輝暗点(−)、鼻炎(↓↓)、動悸・不安(−)

処方3) do. 14日分

処方4) do. 14日分

【第6診~】

頭痛1日/14日間。他も良好。

処方3) do.

処方4) do. ~

 

考察

「産後の血瘀」と「風寒」とが絡み合った頭痛と思われる。芎帰調血飲第一加減と麻黄附子細辛湯とは相性が良いようで、産後の頭痛のみならず、産後の鼻炎、三叉神経痛、坐骨神経痛、疲労倦怠・嗜眠などに好適である。麻黄附子細辛湯は悪風・四肢冷・無汗・倦怠無力・鼻炎(鼻流清涕・噴嚏)から選択した。

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