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症例紹介

冷え性

【症例115】 35歳、 女性
体重49㎏、やややせ型。

症例キーワード: 冷え性

主訴

冷え性。
腰以下、特に両足首~すねの冷えが強い。年間通じて靴下履き、冬はレッグウォーマーを常時使用。夏でもスカートは寒くてはけない。
<病歴>
月経不順でクロミット・カバサールを2か月ほど服用したことがある。

全身症状
寒熱 冷え性。冷えのぼせ(−)
二便 大便:3日/行
小便:5~6行/日。色平、量平。
飲食 食欲:平
飲水:平
全身 疲労倦怠(朝が弱い)。容易感冒(−)
浮腫 下肢に少し
睡眠 良好
心神 良好
少し動いても上半身に汗をかきやすく、このときは顔面が上気して赤くなる。
口内生瘡(−)、扁桃腫脹(−)。
頭痛(緊張型)で2~3回/月・鎮痛剤服用。またのぼせやすく、長風呂が出来ない。
胃腸 胃痛(−)、悪心嘔吐(−)
月経 周期(後期不定:初潮以来ずっと28~60日の周期)、経期(4~5日)、経痛(+)
面色萎黄・無華
舌質暗紅 舌苔微白
皮膚 凍瘡(中学生までたくさんできていた、今は出ない)、皮下出血(−)、細絡(+)、手掌煩熱(−)、手掌乾燥(−)
血圧 80-50

経過・結果

【第1診】

自汗・上衝傾向(のぼせやすい・長風呂が出来ない)・頭痛・桂枝舌(暗紅)などから「桂枝体質」の典型と思われる。また、経行後期、凍瘡歴などから子宮虚寒・血寒があり、これに由来する冷え性と思われる。これらを総合し、『傷寒論』の「手足厥寒脈細、絶せんと欲する者は当帰四逆湯之を主る。若し其の人内に久寒有る者は当帰四逆加呉茱萸生姜湯これを主る。」に相当するものと考え、これを用いることにする。

処方1)当帰四逆加呉茱萸生姜湯7.5/9.0g 分2 14日分

【第23診】

冷え性(→)、頭痛(↓)、便秘(→)、28日目で来経、経痛(−)。

主目標である冷え性はいまだ改善がないが、「外堀の症状」の改善がみられるので処方1)を継続する。

処方1) do.  14日分×2回

【第45診】

冷え性(手の冷えは改善されたが腰以下は変わらず)、月経32日目で来経(このように30日前後で続けて月経があるのは生まれて初めてのこと)、経痛(+)。初潮以来経行後期が続いていたこと、下肢細絡などから血瘀の存在も当然あるものと考えられる。当帰四逆加呉茱萸生姜湯は主として動脈の血流改善であり、静脈の側の改善作用つまり、駆瘀血作用は乏しい。そこで下半身の血瘀を駆逐するべく芎帰調血飲第一加減を併用することにする。

処方2)当帰四逆加呉茱萸生姜湯6.0/9.0g+芎帰調血飲第一加減3.0/7.5 

 14日分×2回

【第6診~】

冷え性(↓)、便通(毎日あり)、頭痛(−)、体力がついた感じ。夏場は職場で厚手のカーディガンを羽織っていたが最近はそれが不要になった(8/28)。2枚履きの靴下が1枚で大丈夫。月経28日目に来経。その後も良好を維持、継続服用中。

 

考察

冷え性で凍瘡(歴)あり、とくれば当然、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が選択される。当帰四逆加呉茱萸生姜湯の基本には「桂枝体質」がある。
この当帰四逆加呉茱萸生姜湯が効かなかったときどうするか、である。有経の女性には大なり小なり必ず血瘀がある。そして当帰四逆加呉茱萸生姜湯は血瘀に対してその改善作用は弱い。一方、下半身の血瘀に対して特異的に効果を発揮するのが芎帰調血飲第一加減である。本案ではその両者を併用して初めて冷えに対して効果を挙げることが出来た。「しもやけのある冷え性に当帰四逆加呉茱萸生姜湯」といった口訣だけでは応用は効かない。
漢方治療において、もっとも大切なことは「病態の正確な把握」と考えている。

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