膝の痛みでお困りの方は多いようです。
飲み薬のいわゆる「痛み止め」は文字通り「痛みをとりあえず止めるだけのその場しのぎ」にすぎません。薬が切れると症状は元に戻ります。また注射器で水を抜いても、その場は楽になりますが、時間がたつとまたすぐにたまります。つまり、いずれも根本治療にはなりません。一方、漢方薬は「膝痛の根本原因」に迫り、これを治す働きがあります。その結果、最終的に薬なしでも痛まない膝に回復させることが可能です。
そのためには膝痛の原因を細かく分析しなければなりません。以下に膝痛の原因を漢方的に6つのパターンに分類してご説明します。
老化による膝痛
老化現象により膝の軟骨の摩耗、滑液の減少、膝を支える上下の筋肉量の減少などが原因となって起こる膝痛。高齢者に好発。
下肢の血行不良による膝痛
膝軟骨には実は血液が通じていません。膝軟骨はそれを包む滑膜・滑液から栄養を受け、老廃物は滑膜・滑液を通じて回収されます。この滑膜・滑液は血液に通じています。つまり、下肢血流が悪いと滑膜・滑液への栄養供給・老廃物の回収がうまくゆかず、結果膝軟骨の回復を妨げ、膝痛の原因になります。立ち仕事・すわり仕事の人、下肢静脈瘤のある人、子宮筋腫・子宮内膜症などの婦人病の現在ある人・既往歴のある人などに好発。
水毒体質による膝痛
体質的に普段から上半身に汗が出やすく、下半身がむくみやすく、尿の量が少なく、太り気味のひとがいます。これを水毒体質といいます。この水毒体質のひとは筋肉が軟弱で、膝の些細な炎症でのすぐ水が溜まってしまい膝痛を生じます。
体幹筋肉の左右のひずみによる膝痛
意外なことかもしれませんが、体幹部のごく微細な筋肉の左右のひずみによって膝の左右のバランスが崩れ膝痛が起こることがあります。原因は、姿勢の悪さなどもありますが、最も多いのが胆石・胆泥・胆道ジスキネジーといった胆のうの病気による体幹筋肉の左右のひずみが原因で起こる膝痛です。
筋肉硬直による膝痛
膝関節に付着する上下の筋肉がかたくなって柔軟性がなくなると、それにより膝のスジの突っ張るような膝痛を生じます。膝の筋肉が硬くなる原因は、筋肉への栄養供給不足と筋肉の血液循環の悪化です。
膝の炎症による膝痛
体質的に炎症を起こしやすい人がいます。些細な膝の炎症で腫れ・痛み・熱を引き起こします。
★膝痛を上記6つのパターンに分類しましたが、それぞれのパターンが単独で存在することはまれで、多くの場合複数のパターンが重複します。このような場合は、それぞれのパターンに用いる漢方薬を併用して対応しなければなりません。
厚仁堂薬局でよく見られる例
- 第1位 【老化現象による膝痛】+【下肢の血行不良による膝痛】
- 第2位 【老化現象による膝痛】+【下肢の血行不良による膝痛】+【膝の炎症による膝痛】
- 第3位 【水毒体質による膝痛】+【膝の炎症による膝痛】
- 第4位 【体幹筋肉の左右のひずみによる膝痛】+【筋肉硬直による膝痛】
- 第5位 【下肢の血行不良による膝痛】+【筋肉硬直による膝痛】