げっぷと胃部膨満感

【症例152】 19歳、 男性
身長165cm、体重71㎏。やや肥満。
症例キーワード: 胃痛・胃もたれ
主訴
げっぷと胃部膨満感。
1週間ほど前から突然、げっぷと胃部の膨満感で苦しい。痛みはない。きっかけ不明。
午前中は軽微であるが午後からだんだんと強くなる。夜、寝るころになるとおならがたくさん出る。げっぷ・おならは無臭。胃部膨満感のため夕方はベルトを一コマ緩めるている。
全身症状
| 寒熱 | 四肢冷(−)、冷えのぼせ(−) |
|---|---|
| 二便 | 大便:1日1行 小便:1日10~。 色平。 |
| 飲食 | 食欲は旺盛。間食多く、お菓子を多食。食後嗜眠 |
| 全身 | 疲労倦怠(++)、運動は苦手(長距離走は断トツのビリ)、容易感冒(−) |
| 浮腫 | なし |
| 睡眠 | 良好 |
| 心神 | 平素よりとても緊張しやすい。本人曰く「チキン」と。 |
| 汗 | 平 |
| 舌 | 舌質胖大・淡・歯根あり。 |
| 皮膚 | 色白、プヨプヨとして浮腫状。 |
経過・結果
【第1診】
主症状の「げっぷ」「胃部膨満感」「おなら」の正体はガスであろう。
ではそのガスはどこから来たものか。平素の緊張過剰の性格、げっぷ・おならが無臭であること、午後から症状が顕著になることなどから「呑気症」、つまり過剰に飲みこんだ空気によるものと思われる。「脾湾曲症候群」の軽微なものであろう①。
同時に平素の胃腸症状に目を向けてみる。食欲は旺盛であり、体重71㎏と肥満気味であるが疲労倦怠(++)、食後嗜眠、舌診などから脾虚の存在がうかがえる②。①は肝気鬱結、②は脾虚痰飲と判断。
そこで、柴芍六君子湯を用いることにする。
処方1) 柴芍六君子湯(エキス散 3.0/6.0g) 分2 ×7日分
【第2診~】
著効あり。服用翌日より「げっぷ」「胃部膨満感」「おなら」消失。念のため、もう一週間分服用し廃薬。
処方1) do. ×7日分
【後日譚】
初回は母親と二人で来局。2回目は本人一人で来局。
2回目の帰り際、曰く「原因はわからないと言っていたが、実は母親にひどく叱責され怖い思いをした。それが発症のきっかけである。ただしこのことは母親には黙っていてほしい」と。
考察
時系列でみると以下の通りであろう。
ストレス(緊張性格+母親の叱責)⇒呑気症⇒脾湾曲症候群⇒げっぷ・胃部膨満感・おなら
症状だけで考えれば四逆散あるいは柴胡疎肝湯あたり。ところが基礎体質に脾虚が存在している。そこで柴芍六君子湯にスライドして用いた。結果として著効を収めたが実のところ無効なら柴胡疎肝湯を考えていた。
服用期間について。初回7日分で様子を見た。経験則として本案のような「気」の病変は良くなるにしろ悪くなるにしろ変化が早い。短い服用期間で様子を見るようにしている。
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