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症例紹介

ストレス性胃痛

【症例91】 69歳、 女性
身長151cm、体重46㎏、小柄で体格普通、子供二人あり。

症例キーワード: ストレス胃痛・胃もたれ

主訴

ストレス性胃痛。
職場でいやなことがあると、直後に心下部(やや右より)が痛む。患部の圧痛あり。ゲップ・吐き気・呑酸・下利などいすれもない。病院で胃痛の薬を服用しているが全く無効。

<現病・病歴>
ピロリ菌陽性にて駆除×2回。現在は陰性。
過活動膀胱の治療薬を服用していた。現在は服用していない。
コレステロール(H)

全身症状
寒熱 冷え性ではない。
二便 大便1日1行。やや便秘気味(乳製品で改善)
小便1日8~9行、夜間0行。様々な刺激(寒冷、疲労、緊張)で頻尿・尿意急迫になりやすい。
飲食 平。
全身 疲れやすい。
浮腫 なし。
睡眠 良好。
心神 もともと神経質なほうである。動悸なし。
ちょっと動くと汗がにじみやすい。
頭痛なし。
ややむくんだ暗黄色の面立ちであるが、入浴後は顔面の紅潮あり。
舌質胖大、舌苔微白。
血圧 120~70

経過・結果

【第1診】

肝気横逆の胃脘痛と判断。基本に「精神刺激に敏感」「暗黄色の面立ち」などの柴胡体質がある。柴胡剤の中で胃脘痛に用いる処方は柴胡桂枝湯と四逆散・柴胡疏肝湯のいずれか。「自汗」「入浴後の紅潮」などの桂枝体質が散見されることから「柴胡体質と桂枝体質の重複型」を基本体質に持つ者の胃脘痛と考え柴胡桂枝湯を用いる。

処方1)柴胡桂枝湯(エキス散)4.0g/6.0g 分2×7日分

【第2診】

無効。そこで第二選択肢の柴胡疏肝湯を用いる。

処方2)柴胡疏肝湯3.0g/4.5g 分2×7日分

【第3診】

良好。

【第4診~】

良好を維持。この後も処方2)を継続服用。都合4週間服用ののち廃薬。約1年後、他の要件で来局。その後の状況を尋ねると、あれ以来胃脘痛は起こっ

ていないとのこと。

 

考察

 精神刺激が原因で胃脘痛を起こすものはその基本に「柴胡体質」がある。
そのうえで、桂枝体質を兼ねれば柴胡桂枝湯、なければ四逆散・柴胡疏肝湯と考えている。結果としてこの症例の患者は「桂枝体質」を持っていなかったということになる。また、自家経験であるが、四逆散型は消化管のみならず膀胱の気滞(頻尿、尿意急迫などの機能異常)を持っていることが多いように経験している。この症例においても過活動膀胱がある。胃脘痛と過活動膀胱とが、根底部分で、同じ気滞でつながっていると考えているがどうであろう。

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