ニキビ
【症例44】 30歳、 女性
身長157㎝、体重50㎏、未婚
主訴
濃赤色で2~3ミリほどのものが額、頬、口囲、背中に点在。このため顔全体が赤らんで見え、更に脂ぎった感じがある。ニキビの先端が化膿したものも数個確認できる。また、決まって月経前に悪化する。
全身症状
寒熱 | 冷え症(-)、冷えのぼせ(-) |
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二便 | 大便1日1行。 小便1日6~7行、夜間0行、色・量ともに平。 |
飲食 | 食欲(平)、飲水(平) |
全身 | 疲労倦怠(-) |
胸腹 | 良好 |
浮腫 | なし |
睡眠 | 良好 |
心神 | 良好 |
汗 | 平 |
口 | 慢性扁桃腺肥大あり。 |
頭 | 頭痛(-) |
目・耳・鼻 | アレルギー性鼻炎あり。中耳炎歴多し。 |
月経 | 周期(25日)、経期(5日間)、経痛(-) |
舌 | 舌質老、舌苔微白、瘀点あり。 |
嗜好 | 飲酒(-)、煙草(-) |
皮膚 | ニキビ以外は特にない |
四肢 | 良好 |
経過・結果
第1診処方1) 小柴胡湯(エキス散)3.0g/7.5g+桂枝茯苓丸(エキス散)3.0g/6.0g+排膿散及湯(エキス散)3.0g/7.5g 分2×14日分 |
第2診ニキビの赤味がなくなり、顔全体も赤々としなくなった。また新生もほとんどなく、ベトベト感・化膿もしなくなった。 処方1) do.×14日分 |
第3診経前にまた悪化した。スタート時点と同じレベルに戻った感じ。 処方1) do.×28日分 |
第4診月経前に悪化したが以前ほどではなかった。全体的によい感じ。化膿はほとんどない。 処方1) do.×28日分 |
第5診その後も月経時に悪化したり、風邪をひいて喉を腫らした時に悪化したり、など繰り返しながらも処方1)を続け少しずつ改善。およそ11か月服用し漸減ののち廃薬。最後は初期と比較すると見違えるほどのきれいな肌になっていた。 |
考察
経前に悪化するニキビは、その基本に「柴胡体質」があると考え柴胡類方を好んで用いている。柴胡体質の特徴に「周期性の症状」がある。日周期、月周期、年周期など。これを経前悪化と捉え小柴胡湯を用いた。桂枝茯苓丸はニキビの状態から、排膿散及湯は化膿を伴うことから合方した。