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症例紹介

片頭痛

更年期における頭痛・肩こり・目の奥の痛み

【症例167】 33歳、 女性
身長165㎝、体重57㎏。子ども一人あり。

症例キーワード: 頭痛、片頭痛

主訴

片頭痛。
中学1年生のころから。最近では、頻度3、4回/週~1回/月とムラがある。閃輝暗点(+)・吐き気・光音過敏を伴う。筋緊張型頭痛も混在するという。月経前、陰天前、精神疲労時に好発。特に月経前は必発。頭痛発作が起こると6時間ほど持続し、その間じっとベッドでうずくまっている。病院にて五苓散、呉茱萸湯をそれぞれ半年服用するも全くの無効。現在、トリプタン系頭痛薬服用するも効いたり効かなかったりと効果は安定しない。現在1歳の子どもがいるが、出産後頭痛で寝込む頻度は明らかに増えている。

全身症状
寒熱 冷え性強く、梅雨が明けるまで就寝時に電気毛布使用。冷えのぼせあり。
二便 大便:7日/回。酸化マグネシム適宜使用。頭痛発作時は便通が悪くなる。月経前全く出ず、始まると良好。
小便:5~6回/日、夜間0行。
飲食 食欲:平。
婦科 :周期(32日)。経期(5~6日間)。月経痛(片頭痛・月経前。この時はEVEが良く効くという)、経血(量多)、   血塊(量多)、PMS(むくみ、イライラ、ウツウツ)。初潮12歳。器質病変なし。妊娠中貧血あり。
全身 疲れやすい。
浮腫 下肢にあり
睡眠 入眠障害、熟眠障害あり。
心神 良好
上半身に出やすい。
目・耳・鼻 妊娠中に鼻血がよく出ていた。
舌紅、舌苔なし。
皮膚 下肢静脈瘤なし。アザなし。

経過・結果

1

 便秘を伴う血瘀上衝が本案の片頭痛の基本構造であろう。妊娠・出産時に生じた血瘀がこれらを加速的に悪化させたと考えられる。前者に桃核承気湯、後者に芎帰調血飲第一加減、を併用する。

処方1 桃核承気湯1.5g/6.0g

    芎帰調血飲第一加減2.5g/6.0g   各分2×14日分

2

 片頭痛発作2回/14日。頭痛の程度は軽く、トリプタン系頭痛薬がよく効いた。大便3日/回。量少、硬。

処方2 桃核承気湯2.5g/6.0g

    芎帰調血飲第一加減2.5g/6.0g   各分2×14日分

【第3、4診】

 片頭痛発作1回/14日、軽微(月経前)。鎮痛剤0回/14日。

 月経あり。30日周期、経血量(2/3ほどに減)、血塊減少。便通良好。

処方2 do. ×14日分×2回 

5診~

 片頭痛発作1回/28日、軽微(月経前)。鎮痛剤1回/28日。

 月経、30日周期、経血量(先月とほぼ同量)、血塊なし。便通良好。

 その後も良好を維持。処方2)を継続服用中。曰く、「ひところ自殺を考えたこともあった。この漢方薬で人生が変わった。とてもうれしい」と。

 

考察

本案のポイントは二つ。
①桃核承気湯の頭痛を看破できるか。
②産後悪化の頭痛を芎帰調血飲第一加減と絡めて構造的に理解できるか。

《一般的血瘀の症状》
・片頭痛発作が月経前に必ず起こること
・冷えのぼせ
・血塊多、経血多
・初潮と頭痛頻発時期とが概ね一致していること
《桃核承気湯固有の症状》
・便秘と血瘀と頭痛とが関連していること
・鼻血
《芎帰調血飲第一加減固有の症状》
・頭痛の頻度が出産後に上がっていること

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