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症例紹介

便秘

【症例105】 67歳、 男性
身長160cm、体重56㎏。やせ形・筋肉質

症例キーワード: 04.消化器・肛門科便秘

主訴

便秘。
 ころころとした便で、毎日下剤を服用しているが3~4日/回の排便で、更に出ない場合は浣腸をしている。下剤を服用しているため排便前に腹痛あり。便が出ないと腹部にガスが充満し、張っていらいらとしてくる。半年前に大腸ポリープを3個摘出。

全身症状
寒熱 冷え(−)、のぼせ(−)
二便 大便:上記の通り。
小便:5~6/日、量平、色は濃いめ。
飲食 食欲:平。
飲水:1.5~2.0ℓ/日、冬でも冷たい飲みものを好む。
全身 倦怠無力(−)、容易感冒(−)。
浮腫 なし
睡眠 良好
心神 良好
全身性に発汗しやすく、夏肌着の腋下は黄色く染まる。
頭痛(−)
胃腸 胃痛(−)
舌質紅、裂紋あり。舌苔微白。
皮膚 皮膚はつやつやした濃褐色で顴紅あり。

経過・結果

【第1診】

口渇・喜冷飲、有汗・黄汗、並びに特徴的なその皮膚色調から、腸胃積熱と判断、三黄瀉心湯を用いる。

処方1三黄瀉心湯(エキス散)7.5/7.5g 分2×14日分

【第2診】

 服用翌日より下剤を使わずともバナナ状の便が出るようになった。ガスもたまらずに済んでいる。

処方1do. 分3×28日分

【第3診~】

 良好を維持。以後は適宜量を調整して服用するよう指導。

 

考察

本案において、三黄瀉心湯を選択した一番の決め手はその熱状と特徴的皮膚の状態である。『東医雑録1 P367~』に以下のごとくある。「症例16 28歳の男…大便が平素から硬く、常に下剤を使用している。…やせ形であるが元気でよく働く。食欲は盛んで、非常な大食家である。いくら食べても太らない。…背が高く、顔色は少し黒みを帯びた赤ら顔である。舌は紅く特に舌尖と両縁に紅味が強い。熱による燥結と診断して三黄丸を投与した。大便も軟らかく太く快通するようになったが、夜よく眠られる様になった…。三黄丸はむしろ細い人に使用する場合のほうが多い。…」。また、同書にて『衆方規矩』が引用されていて、次のようにある。「三黄丸 湿熱多クシテ腹内熱シテ大便結シ、善ク食シテ痩セ飲食肌肉トナラザルヲ治ス。」
 三黄瀉心湯の皮膚の色はその熱状に応じてかなり幅があるように思う。つまり熱状が強ければ本案および『東医雑録』のごとく強い褐色になり、弱ければさほど特徴的な皮膚にはならない。ただし、面紅・便秘・口渇・身熱・有汗・紅舌・やせ形(太らない)などは共通する。



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