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症例紹介

便秘・腹痛・月経痛

【症例56】 15歳、 女性
身長160㎝、体重49㎏

症例キーワード: 便秘月経腹痛

主訴

便秘・腹痛は一年ほど前から発症。排便は5~7日/行で、排便前に下腹部に強い張った痛みを伴う。排便には時間がかかり、かつ残便感があり、すっきりしない。便は兎糞状。ガスも出やすい。以前病院からの大建中湯、カマグなど服用したが、いずれも服用当初はよかったが、次第に効かなくなったという。
月経痛はかなり強く、鎮痛剤が手放せない。月経周期28日、経期7日間。痛むのは月経開始1~3日間。痛みの状態を訊いても「ただ痛い」としかいわない。月経と便秘との関係を問うと「月経前には便秘は強くなり、月経がはじまると少し便通はよくなる気がする」とのこと。昔からプレッシャーに弱く、高校受験の精神的プレッシャーが基本にあるかもしれないという。

全身症状
寒熱 冷え症。足>手
二便 大便:上記の通り
小便:1日10行
飲食 食欲:平
全身 疲れやすいほうかも
浮腫
睡眠 良好
心神 緊張しやすい
緊張すると手掌に発汗あり
皮膚 色白く、顔は上気しやすい

経過・結果

第1診

「反復性臍仙痛」か。虚寒を伴う大腸の気滞による便秘・腹痛、経痛はそれの延長にあるものと判断。桂枝加芍薬湯を基本に、月経前後は当帰建中湯を用いることにする。

処方1)桂枝加芍薬湯(エキス散)4g/6g 分2×14日分 
処方2)当帰建中湯(エキス散)5g/7.5g 分2×14日分

第2診

服薬7日ほどで来経(この時点で便秘・腹痛はあまり改善なし)。処方2)服用で月経痛は皆無。月経後は処方1)を2倍量にて服用してもらったところ7日ほどで腹痛なくバナナ状の便が毎日出るようになる。以後は状態を見ながら量を調整してもらう。

処方1) do.×28日分

第3診

やはり処方1)の2倍量でないと出ないが、この量でとりあえず毎日腹痛なく排便があるので気持ちいい。月経痛は今月もなかった。この後も処方1)、2)の服用を継続、都合約5カ月服用し漸減の後に廃薬。

考察

「皮膚」、「心身」、「汗」の状態から「桂枝体質」が基本にあるものと思われる。そこで桂枝類方の中から「…腹満時痛者桂枝加芍薬湯主之…」に相当すると判断し、これを用いた。
15歳の桂枝加芍薬湯量(Augsberger式)は4.8g/日である。これに比して実際には1.7倍用いていたことになる。腸管の痙攣が強い場合、標準量で対応できない場合はしばしばある。「量」の概念は大切だと思う。

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