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症例紹介

不安神経症

【症例97】 34歳、 女性
身長159cm、体重52㎏、すらりとした感じ、色白

症例キーワード: 不安

主訴

不安感とこれに伴う動悸、発汗、目の疲れ・痛み、睡眠中の中途覚醒。
このとき、足の冷え、頻尿、音に敏感、独居不安、血圧上昇(100⇒130)などを併発することもある。
小学校のころからこれらの兆しはあったが、本格的に発症したのは大学卒業して以降。症状は発作性に起こり、これが1~2か月ほど続き、いつの間にか収束することもあるが1年以上持続することもある。季節の変わり目と、仕事での対人関係がこじれたときに症状好発。また、第一子産後も同様の症状が出て、このときは半年ほど続いた。母親も同様の症状がある。病院にて柴胡加竜骨牡蛎湯が出たが全くの無効。

全身症状
寒熱 冷え性
二便 大便:1日1行、やや下利しやすい
小便:1日8~10行、色量ともに平
飲食 食欲:平
飲水:平
全身 風邪をひきやすい
浮腫 なし
睡眠 通常は良好であるが、発症時は中途覚醒と盗汗を伴う
平素から緊張すると汗がにじみやすい
頭痛(雨の前日)
胃腸 胃痛(−)、悪心嘔吐(−)
目・耳・鼻 良好
面色白
舌質暗紅、舌苔微白
皮膚 あざができやすい
血圧 100~60

経過・結果

【第1診】

平素から自汗傾向にあること、慢性の頭痛、色白・体格・暗紅舌から「桂枝体質」と判断。一連の症状は「桂枝体質」特有の気上衝によるものと考え、桂枝加竜骨牡蠣湯を選択。さらに標治頓服として甘麦大棗湯を用いる。

処方1)桂枝加竜骨牡蠣湯7.5/7.5g 分2 10日分

処方2)甘麦大棗湯1回3.0を頓服 1日3回まで

【第2診】

心悸(−)、発汗(↓)、目の疲れ・痛み(↓)。精神的にも落ち着いている。睡眠状態改善。処方2は使わずに済んでいる。

処方1) do. 分2 14日分

【第3診】

仕事でトラブルあり。発汗(↑)、足がふわふわして雲の上を歩いている感じ。不安(↑)、睡眠(↓)。そこで処方2)を服用したところ心悸が消え非常に落ち着いた。本人より処方2)を処方1)に混ぜてほしいとの依頼。

処方3)桂枝加竜骨牡蠣湯7.5/7.5g+甘麦大棗湯6.0/9.0g 分2 7日分

【第4診】

汗(↓)、心悸(↓)、頭痛・目の疲れ痛み(↓)、足のふわふわ感(↓)、不安感(↓)。仕事に何とか適応できている感じ。ただし、睡眠状態がよくなく、はじめのころと同じ程度。

処方4)桂枝加竜骨牡蠣湯6.0/7.5g+甘麦大棗湯6.0/9.0g+梔子厚朴湯※1.0/3.0g 分2 14日分

【第5診~】

7時間連続で眠れるようになる。朝の目覚めが気持ち良い。精神的にも安定している感じ。日中時々不安な感覚に襲われこともあるが心悸など起こらずになんとかかんとかやり過ごしている。以後、様子を見ながら漸減の予定。

処方4)do. 分2 14日分~

 

考察

自律神経失調症・不眠の治療の最大のポイントは、これらの精神症状と同時に出ている身体症状とを合わせて考えることにある。精神症状(イライラとか不安とかウツウツなど)だけを判断基準に用いてもあまり効果はないように思う(例えばイライラだから柴胡剤とか、カーっとくるから黄連剤などといった使い方)。今回の場合、基本に「桂枝体質」がある。これが見抜けるかどうかが最大のポイントであろう。「桂枝体質」とは自汗・色白やせ型・筋張った肉付き、桂枝舌(暗紅舌)、体痛(頭痛・腹痛・四肢痛)を起こしやすい・寒冷に敏感、気上衝(上逆と拍動)しやすいといった特徴を持つ体質を言う。桂枝体質には桂枝を君薬とする処方を用いる(必ずしも桂枝配合剤ではない)。この場合、不安、心悸・発汗・目の痛み・疲れ、慢性の頭痛などから桂枝加竜骨牡蠣湯を選択した。梔子厚朴湯は不眠を目標に柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、柴胡桂枝乾姜湯、四逆散、半夏厚朴湯などに合して用いている。単独で使っていない。
梔子柏皮湯:山梔子、厚朴、黄芩、それぞれの粉末を等量に混和したものを用いている。1日量3gを標準とする。

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