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症例紹介

便秘と下腹痛

【症例39】 36歳、 女性
身長163㎝、体重55㎏。

症例キーワード: 03.婦人科05.消化器・肛門科便秘

主訴

 3~4日に一回の排便。量は少なく固い。排便前に右下腹(腸骨窩)痛を伴い、排便後にこれは消失する。月経前には比較的便通はよくなる。

全身症状
寒熱 下肢は冷える傾向。冷えのぼせあり。冬季、外出先から暖房の効いた部屋に入ると顔面が強く濃赤色に紅潮する。
二便 大便3~4日1行。
小便1日4~5行、夜間0行、色・量ともに平
飲食 食欲(平)、飲水(平)
全身 倦怠(-)、容易感冒(-)
浮腫 下肢に少し
心神 良好
月経 周期(28日)、経期(7日間)、経痛(なし)、経血(平)、血塊(-)
面色:微黄
舌質赤紫、舌苔なし
嗜好 飲酒(たまに)、煙草(-)
皮膚 皮下出血(+)
体型 がっちりした感じ

経過・結果

第1診

排便前の右下腹(腸骨窩)痛、冷えのぼせ、舌質赤紫、皮下出血(+)等から血瘀が基本にあり、これによって生じた便秘と考え処方1)桃核承気湯を用いる。

処方1)桃核承気湯(エキス散)4.0/6.0g 分3×7日分

第2診

処方1)にて良好。腹痛なくほぼ毎日気持ちよく排便あり。また、排便前の右下腹痛も同時に消失。はじめ標準量の2/3量を用いていたが、3か月を過ぎるころからその量では便が緩くなるので1/2量とし、さらに半年後には1/4量とした。その後も体調良好とのことで継続服用中である。

考察

 女性は便秘が多い。原因は多岐にわたるが、その一つに血瘀がある。血瘀が便秘を形成するのであろうか、あるいはその逆か。大黄+駆瘀血薬(桃仁がその代表)の基本構造を用いる。今回の場合、血瘀症状+便秘に加えて顕著な冷えのぼせという気上衝を伴うので桂枝甘草湯の方意を含む処方1)桃核承気湯を選択した。また服用してゆく中で使用量を減量できたのは桃核承気湯が単に排便するだけではなく、その根本原因である血瘀を駆逐したことに由来すると考察する。

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