更年期障害 動悸・息苦しさ・不安感・抑うつ感・肩こり

【症例176】 58歳、 女性
身長158㎝、体重61㎏。体格は普通くらい。子供2人あり
主訴
更年期障害 動悸・息苦しさ・不安感・抑うつ感・肩こり。
閉経前後より上記症状が続いている。動悸・息苦しさは起床時~午前中に、不安感・抑うつ感・肩こりは天気の崩れる前や台風接近時に顕著となる。
<服用薬>
アムロジピン(降圧薬)
アデホスコーワ(代謝賦活薬)
全身症状
| 寒熱 | 足の冷え(+) |
|---|---|
| 二便 | 大便1日1回。 小便1日10回~(夜2回)。 |
| 飲食 | 食欲、飲水ともに平。 |
| 婦科 | 49歳ごろ閉経。婦人科系の大きな病変歴はない。 |
| 全身 | 非常に疲れやすい。 |
| 胸腹 | ストレス時に胃痛。 |
| 面 | 青みを帯びた褐色 |
| 舌 | 舌質微紅、舌苔白。 |
| 四肢 | 肩こり(++)。左右とも。耳の後ろ~横首~肩の峰にかけて凝る。 |
経過・結果
【第1診】
これら症状は自律神経失調に由来するもので、その背景に更年期のホルモンの乱れが今なお続いていると考えられる。そこで、ホルモンおよび自律神経を整えるべく加味逍遥散合四物湯加香附子を用いる。
処方1)
加味逍遥散(エキス散)3.0g/6.0g
四物湯(エキス散)2.0/6.0g
香附子末0.5g
分2 ×14日
【第2、3、4、5診】
第一声は「よく眠れる。気づいたら朝」であった。よく眠れる分、朝の気分がよく動悸・息苦しさ・肩こりなどはほとんど消失。不安感・抑うつ感は依然として残るもののその程度は軽くなっている。
処方1) do. ×14日分
【第6診~】
良好を維持。精神面は波があるものの許容の範囲という。その表情にも余裕が出ている感じである。その後は経済的理由にて半分量の服用を続けている。現在も服用中。
考察
型通り加味逍遥散合四物湯加香附子を用いた。本案のような多彩な症状を一処方にて対応できる理由は、この処方が根源的病変、つまりホルモンと自律神経とにうまく作用しているということであろう。
『橘窓書影』の逍遥散加地黄香附子の症例を参考にしたものである。この加味方は和田東郭の創作という。『勿誤薬室方函口訣』の逍遥散の項に「東郭の地黄・香附子を加ふるものは、この(加味逍遥散)裏にて肝虚の症、水分の動悸甚だしく、両脇拘急して思慮鬱結する者に宜し。」とある。
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