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症例紹介

一人目のときもできにくく、二人目も不妊

不妊、流産

【症例55】 38歳、 女性
152㎝、体重42kg

症例キーワード: 不妊

主訴

一人目のときもできにくく、クロミット使用でようやく妊娠した。現在、月経周期28日、経期5~6日。月経痛(初日に軽微)。血量(減少は見られない)、血塊(1㎝くらい×2~3個)。AMH(3.2⇒35歳相当)。子宮筋腫・内膜症・甲状腺疾患などいずれもない。初潮14歳。基礎体温表は二相に分かれ、排卵はあると思われるものの、高温期の体温が十分でない(黄体機能不全か?)。現在病院の治療は行っていない。話し合いの結果、年齢を考慮し、漢方でしばらく(6~12か月ほど)体作りをして、その後、病院治療を併用してゆく計画にした。

全身症状
寒熱 冷え症、冷えのぼせあり
二便 大便1日1行
小便1日5~6行
飲食 食欲:平 、飲水:平
全身 疲れやすい風邪をひきやすく、蓄膿になりやすい
浮腫 下肢に夕方少し
睡眠 良好
汗ばみやすい
片頭痛あり(閃輝暗点あり)
舌質微紅、舌苔微白
皮膚 面色萎黄。手掌は冬場乾燥して皮膚が薄くなり、ひび割れてほてる。唇も乾燥して通年してリップを使用。アザができやすい。

経過・結果

第1診

二人目不妊の原因は基本的に「第一子出産時の血瘀」と考え、すべての場合において芎帰調血飲第一加減を用いるようにしている。更に、頭痛・自汗・冷え症などと、これに手掌・口唇の乾燥・煩熱といった特徴的な津液不足の症状があることから温経湯を選択。両者を併用。煎じ薬とする。

処方1)芎帰調血飲第一加減15/47.0g+温経湯20/24.5g×14日分

芎帰調血飲第一加減
桂皮1.0、茯苓3.0、芍薬3.0、桃仁3.0、牡丹皮2.0、当帰2.0、川芎2.0、白朮3.0、観地黄2.0、乾生姜2.0、甘草1.0、烏薬2.0、香附子2.0、枳実2.0、陳皮2.0、木香2.0、大棗3.0、延胡索2.0、紅花2.0、牛膝2.0、益母草2.0、蘇葉2.0(22味、47.0g)

温経湯
半夏4.0、麦門冬4.0、当帰3.0、川芎2.0、芍薬2.0、人参2.0、桂皮2.0、牡丹皮2.0、甘草2.0、呉茱萸1.0、生姜0.5(11味、24.5g)

第2診

14日分を服用したあとも体温37°前後が続き、そのまま妊娠確認。妊娠確認後は処方2)紫蘇和気飲に変更し、妊娠中も継続服用を指示。

処方2)紫蘇和気飲25.0g/25.0g

紫蘇和気飲
蘇葉2.0、香附子4.0、陳皮3.0、大腹皮1.0、乾生姜1.0、大棗3.0、甘草1.0、当帰3.0、川芎3.0、芍薬4.0(10味、25.0g)

不妊のあらまし

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