ニキビ
【症例81】 33歳、 女性
身長162cm、体重46㎏
症例キーワード: ニキビ・肌荒れ
主訴
ニキビ。
アゴの線~頬に集中してできる。直径は2~3mm程度の小粒のものと5~10mm程度の大粒のものの二種類ある。小粒は化膿しやすく、大粒は化膿しないが根が深く一度できるとなかなか治らない。色は赤~暗紅色。ひどくなるたびに病院の抗生物質とビタミン剤を服用している。これらを服用後は一時的に沈静化するが、なかなか根治には至らない。月経前、疲労時、多食時に悪化する傾向にある。
全身症状
寒熱 | 冷え性 |
---|---|
二便 | 大便:1日1行 小便:1日10~行 |
飲食 | 平。 |
全身 | 疲労(−)、風邪(−) |
胸腹 | 平。 |
浮腫 | なし |
睡眠 | 良好。 |
心神 | 良好。 |
汗 | 平。 |
口 | 平。 |
頭 | 偏頭痛あり(拍動性、発症すぐにバファリン服用でコントロール可)。 |
胃腸 | 良好。 |
目・耳・鼻 | 目赤、アレルギー性鼻炎あり。 |
月経 | 周期(30日)、経期(7日)、経痛(経前、下腹部、バファリン服用)。 |
面 | 白~萎黄 |
舌 | 舌質平・赤紫、舌苔微白 |
経過・結果
【第1診】 ニキビの形状(暗赤色・大粒)、月経の状態から血瘀が基本にあり、これから派生したニキビと判断。化膿を繰り返すことから排膿薬も併用する。桂枝茯苓丸合排膿散及湯を用いることにする。 処方1)桂枝茯苓丸(エキス散)4.0/6.0g+排膿散及湯(エキス散)5.0/7.5g 分2×14日分 【第2診】 ニキビ新生(↓)、化膿(↓)、偏頭痛発作(↓)。概ね良好と判断。 処方1) do. ×28日分 【第3診】 ニキビはもちろんのこと偏頭痛もほとんど起きなくなっている。 処方1) do. ×28日分 【第4診】 ニキビはほぼ良好。古いニキビの色素沈着も薄くなってきていてうれしい、と。月経痛も起こらなくなってバファリンはほとんど飲むこともない。こののちも処方1)の服用を続け、都合5か月服用ののち廃薬。 |
考察
20歳をすぎた女性のニキビは子宮血瘀由来が多いように思う。この症例では子宮血瘀を治すことにより「ニキビ」「偏頭痛」「月経痛」の三つが同時に改善できた。まさに「女を見たら血瘀と思え」である。