書痙

【症例168】 30歳、 男性
身長170㎝、体重85㎏。がっちりした体格。
主訴
1年ほど前から。きっかけは職場のストレス。
書写時、右手指がプルプルと震える。第三者の目があるときだけ発症し、だれもいないところでは全く問題なく書ける。
全身症状
| 寒熱 | 冷え(-)、ほてり(-) |
|---|---|
| 二便 | 大便1日1回、普通便 小便1日6回(夜間0回) |
| 飲食 | 過食傾向 |
| 心神 | もともとあがり症、緊張しやすい |
| 体型 | がっちり型 |
経過・結果
【第1診】
もともと緊張しやすい下地に、さらに職場でのストレスが加わり発症したものと思われる。精神緊張をほぐすべく柴胡加竜骨牡蛎湯(去大黄)をベースとし、更に痙攣を止めるべく芍薬甘草湯と脳活精を併用(柴胡加竜骨牡蛎湯加芍薬・甘草・羚羊角のつもり)する。
処方1)
柴胡加竜骨牡蛎湯(去大黄)5.0g/7.5g
芍薬甘草湯3.0g/6.0g
脳活精2カプセル 各分2×14日分
【第2~4診】
書痙変化なし。他の全身症状もこれと言って変化なし。
処方1) do. 14日分×3回
【第5診】
血圧130~80と少し降下してきた。先日、郵便局でちょっとした書類を書くことがあったが、その時震えは起こらなかった。一か月後に銀行で大きな契約の予定があり、それまでになんとかなればよいが、とのこと。
処方1) do. 14日分×2回
【第6診】
電話あり。銀行での契約の際、書痙起こらず。とてもうれしい、と。この後もしばらくは服用を継続するよう勧めたが、これを最後に来局なし。
考察
柴胡加竜骨牡蛎湯はいわば漢方の鎮静・鎮痙薬である。また羚羊角はサイガという鹿の角で、すぐれた鎮痙・鎮静作用がある。この両者を合わせて用いると相乗効果を発揮する。書痙は一般に難しい。3か月ほどで効果が出たことはうれしい限りである。
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