帯下(おりもの)
【症例7】 82歳、 女性
身長150cm、体重55㎏。
症例キーワード: 月経
主訴
性状は清稀で多量。今年、6月下旬からずっと続いている。同時に足腰の冷感と沈重感を伴う。
<病歴>変形性膝関節炎。
全身症状
寒熱 | 下肢冷が顕著。腰から背中にかけて冷感がある。ほてることはない。 |
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二便 | 大便1日1行。どちらかというと便秘の傾向にある。 小便1日9~12行、清長。 |
飲食 | 飲水、食事ともに平。 |
全身 | 年齢の割には元気なほうである。 |
舌 | 舌質赤紫、舌苔微白。 |
経過・結果
第1診帯下の性状と腰以下の沈重感・冷感及び年齢から陽気不足による寒性帯下と考え、 処方1)五積散加香附子・呉茱萸を14日分投与。 五積散加香附子・呉茱萸 |
第2診14日分飲み終える頃には帯下はほぼ出なくなる。この後、服薬を中止したため再発したが再度同処方を服用して治癒。この後、更に1ヶ月服薬しその後廃薬。以後再発していない。 |
考察
処方1)五積散加香附子・呉茱萸は目黒道琢の『餐英館療治雑話』から引用したものである。
「…赤白帯下、下腹痛ミ、寒ニ属スル証、呉茱萸、香附子ヲ加エテ効アリ…」とある。