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症例紹介

肝臓がん手術後の発熱

【症例35】 65歳、 男性
身長166㎝、体重62㎏

症例キーワード: 04.消化器・肛門科13.かぜ・発熱・その他発熱

主訴

 肝臓ガンの手術にてガン組織を摘出。術後、6週間ほどしてから突然39℃の発熱・食欲不振などの症状現れる。検査の結果、胆管炎と診断され再入院。抗生物質・解熱剤が投与され5日ほどで解熱し退院。ところがその1週間後、再度39℃の発熱。検査ではCRP(N)、WBC(N)、その他にも異常所見は見当たらなかった。とりあえず熱を下げましょうとのことでカロナールが処方された。カロナールを服用すると服用後、一旦は解熱するが5~6時間するとまた発熱してくる。これを繰りかえすこと1週間ほどしてから来局。何とかこの熱を取ってほしいとのこと。繰り返す発熱のため倦怠感が顕著である。

全身症状
寒熱 下肢冷(++)。コタツにくるまっているが冷えが取れない
二便 大便1日1行。
小便1日5~6行、夜間1行、色清・量平
飲食 食欲(あまりない)、飲水(平)
胸腹
浮腫 なし
心神 疲労感あり
舌質:暗赤、舌苔:白~白膩
嗜好 飲酒(-)、煙草(-)、嗜好品(-)
皮膚
体型 やや痩せ形

経過・結果

第1診

 下肢冷(++)・倦怠(++)から「真寒仮熱」による発熱と考え処方1)四逆湯を用いる。

処方1)四逆湯(炙甘草3.0、乾姜2.0 附子1.0) 7日分

第2診

 処方1)服薬直後に手足がポカポカとしてきて気持ちがよくなり、俄然元気が出てくる。その後も服用を続け、都合服薬4日目にして全く発熱しなくなる。その間、一回だけカロナールを服用した。

考察

ガン手術→胆管炎による発熱→抗生剤・解熱剤と立て続けに大きなダメージが加わり、その結果おこった「真寒仮熱」による発熱と思われる。同様の発熱は高齢者の感冒後の治りぞこないの発熱にもまま見られる。その場合、多くは1~2剤で発熱は治まる。今回の場合、4剤を要したことからそのダメージの深さがうかがえる。

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