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症例紹介

頸椎椎間板ヘルニア

【症例172】 44歳、 男性
身長171㎝、体重66㎏。普通くらいの体格

症例キーワード: 頸椎ヘルニア

主訴

頸椎椎間板ヘルニア(C5/6)による左首・肩・上腕の痛み、手指のしびれ。
 1年ほど前に発症。きっかけ不明。MRI検査にて上記診断が決まる。陰天悪化なし、入浴後改善少しあり。季節性なし。時間性なし(終日、同じ程度に痛む)。病院よりプレガバリン・セレコックスと疎経活血湯とが投与され、これを服用4か月になるが改善なし。またプレガバリンは眠くなるので服用したくない。また、痛みのため気分が塞ぐ日も多くなっている。何か漢方でないかと来局。

全身症状
寒熱 四肢冷なし
二便 大便:1日1行
小便:1日5~6行、夜間0行。
飲食 食欲:平
飲水:平
全身 良好
浮腫 なし
睡眠 良好。ただし、イビキあり。
心神 良好
目・耳・鼻 良好
舌質平、舌苔白
血圧 120-70

経過・結果

【第1診】

 典型的頚椎椎間板ヘルニアである。全身症状からはこれといって特徴的矛盾は見いだせない。ただし、強いて言えば「イビキ」がある。これを足掛かりに、痰飲による病変と考え清湿化痰湯を用いる。

処方1)

清湿化痰湯7.2g/7.2g 分2 ×14日

【第2診】

 良好。感覚として50%ほどに減少。

処方1) do. ×14日分×3回

【第3診~】

2か月ほどの服用で症状20%ほどに改善。気分もよい。現在も服用継続中。

考察

『痛みの漢方治療の実際』(平田道彦著・たにぐち書店)に清湿化痰湯の使用例が模倣代用・合方・加味方を含め6例が掲載されている。その多くが上半身の多彩な痛みに効果を発揮している。下半身には用いていない。拙案2例も上肢症状である。これらより、清湿化痰湯は痰飲体質のものの上半身の諸疼痛により効果的なのではないか、と考えているがどうか。
上述の痰飲体質の項目に「頚腕症候群」がある。頚腕症候群は、レントゲン等の画像検査でヘルニア等の器質的病変の見当たらないにもかかわらず首・肩・腕に症状のある場合につけられる診断名である。よって、頸椎椎間板ヘルニアとは病理構造が本質的に異なるが、症状の類似性を考え「イビキ」とともに本案の痰飲体質の根拠とした。


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