めまい

【症例22】 68歳、 女性
身長156cm、体重70㎏。肥満体形。11/21来局。
症例キーワード: 04.精神・神経科08.耳鼻咽喉科11.循環器科めまい・耳鳴り
主訴
体が揺れる感覚で、足元がふわふわしておぼつかなくなる。回転性・起立性のめまいと吐き気はいずれも伴わない。起床時に好発。持続時間は30分~60分ほど。まったく起こらない日もあるが、一日に何度も起こることもある。過去にストレス由来の突発性難聴をわずらい、以来右の耳は難聴が続き耳鳴を伴う。現在発症時にメリスロン・デパス・メチコバールを服用してやり過ごしている。
全身症状
| 寒熱 | 下肢は冷える傾向で、冬は靴下寝 |
|---|---|
| 二便 | 大便1日1~2行、普通便。 小便1日7~8行、夜間2行、色平・量少 |
| 飲食 | 食欲(平)、飲水(平) |
| 胸腹 | 呑酸あり |
| 浮腫 | 下腿に顕著、指圧痕(+)、夕方は靴がきつくなる |
| 睡眠 | 良好 |
| 汗 | 平 |
| 口 | 良好 |
| 目・耳・鼻 | 耳鳴あり |
| 月経 | 50歳で閉経 |
| 面 | 顔面浮腫状、色白 |
| 舌 | 舌質赤紫、舌苔白 |
| 嗜好 | 飲酒(-)、煙草(-)、嗜好品(-) |
| 皮膚 | 色白でぽちゃぽちゃした感じ |
| 体型 | 肥満体型(BMI:29) |
| 四肢 | 両肩の凝り |
| 血圧 | 112~78 |
経過・結果
第1診肥満体型・ぽっちゃりとした皮膚の状態、下肢の浮腫・指圧痕、呑酸、舌苔などから顕著な痰飲があり、これが原因となり、動揺性のめまいを形成しているものも考えられる。その痰飲を治すべく当帰芍薬散と発作時の沢瀉湯を投与。11/21 処方1)当帰芍薬散(エキス散)9.0g/9.0g 分2×14日分 処方2)沢瀉湯(煎じ薬・頓服)×7日分 沢瀉湯 |
第2診12/10 めまいはだいぶよい。 処方2)は2回服用したのみ。呑酸(食後すっぱい水があがってくる)も何とかしてほしいとのこと。 処方1) 14日分 処方3)茯苓飲(エキス散)4.0g/6.0g+黄連解毒湯(エキス散)4.0g/6.0g+牡蠣末0.5g 分2 14日分 |
第3診1/7 めまいおよび呑酸ほぼ良好。呑酸は草むしりなどで前かがみになるとどうしても起こるが、なんとか我慢できる程度という。この後も処方1)、3)の服用を続け、都合5ヶ月間服用の後、本人の希望により廃薬。 |
考察
中高年で無力性肥満体質のめまい、特に動揺型めまいには当帰芍薬散が奏功することが多い。
呑酸は胃の裂肛ヘルニアによる逆流性食道炎と思われる。これまた肥満体質の中高年に多く、茯苓飲を基本に用いる。このとき呑酸・胸痛に黄連・山梔子を加味するが、エキスでは黄連解毒道で代用できる。更に牡蠣を制酸で用いた。
沢瀉湯は一般に沢瀉5.0、朮2.0となっているが、この量ではとても少ないように思う。
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