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症例紹介

うつむく姿勢を長く続けるとめまいが起こる

不妊、流産癖

【症例53】 46歳、 女性
身長165㎝、体重55㎏、既婚、一子あり

症例キーワード: めまい・耳鳴り

主訴

台所作業で、うつむく姿勢を長く続けるとフワーとなり、何か物につかまっていないと倒れそうになる。疲労時・陰天時・月経前に好発。回転性(-)、暗黒性(-)、悪心嘔吐(-)、耳鳴(-)、貧血(-)。発症は一年ほど前で、仕事が多忙であったこととストレスが重なったことが原因ではないかと考えている。

全身症状
寒熱 冷え症(-)、のぼせ(-)
二便 大便1日1行。
小便1日5~6行、夜間2行、色・量ともに平。
飲食 食欲(平)、飲水(1.5ℓ)
全身 疲労感(-)
胸腹 良好
浮腫 なし
睡眠 寝つきが非常に悪い
心神 良好
良好
頭痛あり。肩こりと連動
目・耳・鼻 良好
月経 周期(21~30日)、経期(4~5日間)、経痛(-)
嗜好 飲酒(-)、煙草(-)
皮膚 良好
体型 がっちりした感じ
四肢 肩こり(左>右)
血圧 131-80
脈拍 108

経過・結果

第1診

舌質暗紫、月経前の悪化などから血瘀由来のめまいと考え冠心Ⅱ号方を用いる。

処方1)処方1)冠心Ⅱ号方(エキス散)6/6g 分2×14日分

第2診

良好。めまいの頻度・程度いずれも軽減

処方1)do. ×28日分

第3診

それまで良好だったが、月経前・中に再発。合わせて頭痛・肩こりも悪化。そこで婦人科疾患について改めて詳しく尋ねてみると、実は2年ほど前に妊娠中絶し、その際出血がなかなか止まらなかったことがあった。今にして思えばめまいはこれ以降かもしれないとのこと。そこで妊娠中絶によって生じた血瘀と判断し芎帰調血飲第一加減を併用して用いる。

処方2)冠心Ⅱ号方(エキス散)4g/6g+芎帰調血飲第一加減(エキス散)5g/7.5g 分2×14日分。

第4診

非常に調子が良い。めまい・頭痛・肩こりなどいずれも消失。体が軽くなった感じ。今まで寝つきが悪かったのがウソのように眠れるようになった。眠れるのが一番うれしいと。以後も処方2)を継続服用中。

 

考察

「産後」のみならず「流産後」の不調も第一選択肢は芎帰調血飲第一加減である。めまいに対する効果は芎帰調血飲第一加減に内包される苓桂朮甘湯と当帰芍薬散に由来すると考えられる。また、芎帰調血飲第一加減で睡眠が改善されることはよくある。

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