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症例紹介

不妊 卵巣チョコレート嚢胞が原因か。

【症例129】 28歳、 女性
身長158cm、体重43㎏、やややせ型

症例キーワード: 不妊

主訴

不妊。
結婚して3年目。卵巣チョコレート嚢胞あり。これが原因か。
現在病院にてクロミット服用中。
基礎体温表は二相に分かれ、高温期は36.7以上×10日。現在タイミングをとりつつ対応しているが、今後は人工授精もすすめられている。

全身症状
寒熱 冷え性が強い。特に足部。
二便 大便2日1行、やや便秘気味。
小便1日5行、夜間(0)
飲食 良好
全身 疲れやすい、朝弱い
胸腹 良好
浮腫 下肢に少し
睡眠 良好
心神 良好
頭痛(−)
胃腸 良好
目・耳・鼻 良好
月経 周期(29~31)、経期(7日間)、経痛(++)、経血(色:濃赤、質:粘、量:平)、血塊(−)、帯下(微)
色白で、ぽっちゃりとした面立ち
舌質微紅、舌苔微白
血圧 90−50

経過・結果

【第1診】

基礎体温は十分機能しているように見えるが、見せかけだけかもしれない。妊娠しないのはやはり卵巣チョコレート嚢胞が影響していると考えるのが妥当であろう。

卵巣チョコレート嚢胞は子宮内膜症の中で最も多い病理形態で、しばしば不妊の原因になりうる。卵巣チョコレート嚢胞は漢方的には「悪い血の蓄積」と考える。その治療には芎帰調血飲第一加減を基本に用いる。更に全身症状として、疲労倦怠(朝が弱い)、冷え性、低血圧などの虚状が見てとれる。これらを総合的に判断し芎帰調血飲第一加減に当帰芍薬散を配合して用いることにする。

処方1)芎帰調血飲第一加減(エキス散)3.0/7.5g+当帰芍薬散4.0/12.0g(エキス散) 分2 ×14日分

【第2、3,4診】

月経あり。月経痛(↓)。他にこれといった変化なし。

処方1) do. ×14日分×3回

【第5、6診】

今回初めて人工授精することになった。病院よりホルモン剤追加。

全身症状として疲労倦怠感と足部の冷えが顕著である。

基礎体温表は二相に分離し、高温期も36.7℃以上を維持。

疲労倦怠・低血圧・冷え症に注目し、当帰芍薬散を補中益気湯加附子に変更。

処方2)芎帰調血飲第一加減4.0/7.5g(エキス散)+補中益気湯(エキス散)4.0/12.0g+附子末1.0g 分2 ×14日分×2回

【第7、8診】

人工授精失敗。来経する。

倦怠感は軽くなったが足部の冷えは変わらず。冷えについて詳しく効いてみると、職場ではクーラーが苦手で、カーディガンとひざ掛けは欠かせないとのこと。そこで附子末を五積散に変更。

処方3)芎帰調血飲第一加減4.0/7.0g+補中益気湯4.0/12.0g+五積散6.0/12.0g 分2 ×14日分×2回

【第診】

背中が温まって気持ちいい。足部の冷えも少しいい感じである。基礎体温は従来通り。現在、月経痛はほとんどない。

2回目の人工授精を予定。

処方3) do. ×14日分

【第9診】

妊娠の報告。

処方を安胎薬に変更。

処方4)当帰芍薬散+補中益気湯+香蘇散

 

 

考察

結果として「悪い血の蓄積」と「体力低下」と「冷え」とが複雑に絡んだ不妊であったということであろう。特に冷えは、当帰芍薬散⇒補中益気湯加附子⇒五積散と3回変更してようやく改善を見た。なお、冷え性と基礎体温とは本案のごとく必ずしも一致しない。冷えは現象としては単純であるが、その適応処方を見極めるのはなかなかむつかしい。

不妊のあらまし

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    <現病・病歴>
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