二人目不妊

【症例155】 35歳、 女性
身長164㎝、体重54㎏、がっちりした体格。
症例キーワード: 不妊
主訴
二人目不妊。第一子は現在5歳、自然妊娠・普通分娩。
基礎体温表:自然排卵あり、高温期(36.5°前後)×11日前後・安定。
過去3回自然妊娠するも、その都度6~7週目にて流産した。
器質病変(筋腫・内膜症)なし、甲状腺良好、Hb(11.8)
抗核抗体:80倍(基準値40~80倍未満)
子宮内細菌叢:未検査
カンジタ歴(+)、クラミジア抗体(+)ただし卵管良好
不妊の原因は不明。投薬なし。
<病歴>
円形脱毛症×多数回
扁桃腺肥大で入院(19歳、窒息しそう)
全身症状
| 寒熱 | 冷え性。冬は靴下ね。冷えのぼせあり。 |
|---|---|
| 二便 | 大便:2~3日に1回。便秘気味。 小便:7~8回/日、夜間尿(0回)。膀胱炎歴多数 |
| 飲食 | 食欲:平 食量:平 |
| 婦科 | 周期(28~30日)、経期(5日間)、経痛(-)、経血(量平、色平)、血塊(-)、月経前に発熱・胃痛・悪心あり。 |
| 全身 | 疲労倦怠(+)、容易感冒(+)⇒扁桃腺炎、咳嗽、発熱 |
| 汗 | 自汗傾向 |
| 口 | 慢性扁桃腺肥大 |
| 頭 | 慢性頭痛(片頭痛・緊張型頭痛の混合型) |
| 胃腸 | 胃痛(ストレス性) |
| 皮膚 | 足指にしもやけできる。皮下出血(+)下肢静脈瘤(-) |
経過・結果
【第1診】
いわゆる不育症、習慣流産といったところか。病院では不妊の原因は不明とのこと。投薬もなし。このような場合、全身症状からアプローチするしかすべがなかろうと思う。
漢方所見
二人目不妊ということで血瘀は必発⇒芎帰調血飲第一加減
小さい頃より扁桃腺炎を繰り返し、経行発熱・悪心嘔吐から小柴胡湯。ただし、冷えのぼせ・自汗・頭痛、ストレス性胃痛などから小柴胡湯を柴胡桂枝湯へ。
処方1)芎帰調血飲第一加減5.0g+柴胡桂枝湯3./6.0g 分2 ×14日分
【第2、3診】
来経。月経前の発熱・悪心嘔吐などの不調なし。便通毎日あり。朝起きが楽になった。
処方1) do.×14日分×2回
【第4診】
妊娠せり。病院よりデユファストン、アスピリン投薬あり。
処方2)柴胡桂枝湯3.0/6.0g+当帰芍薬散4.5/9.0g 分2 ×14日分
【第5、6診】
つわりがひどいが処方2)を最低1包/日は服用している。
処方2) do.×14日分×2回
【第7診~】
「10週の壁」を突破できた。つわりあり。その後も処方2)を継続服用。
↓
男児出産せり。2800gなり。
考察
経産婦と未産婦とでは不妊治療が微妙に異なる。経産婦の不妊は芎帰調血飲第一加減を基本に用いる。「基本に」とは「必ず用いるが必ずしも単独で用いるわけではない」という意味である。
本案は経産婦につき血瘀(芎帰調血飲第一加減)を基本病変とし、これに慢性炎症(扁桃炎・柴胡桂枝湯)が加わり、これらが不妊を形成しているものと考えた。
類似する症例
-
【症例136】 35歳、 女性
二人目不妊。
第一子は現在5歳、自然妊娠・普通分娩。
基礎体温表:自然排卵あり、高温期(36.5°前後)×11日前後・安定。過去3回自然妊娠するも、その都度6~7週目にて流産した。
器質病変(筋腫・内膜症)なし、甲状腺良好、Hb(11.8)
抗核抗体:80倍(基準値40~80倍未満)
子宮内細菌叢:未検査
カンジ...もっと見る -
【症例47】 28歳、 女性
不妊、流産癖。
H10年7月に一か月で、H11年9月に二か月目で、それぞれ流産している。「妊娠を安定させ、無事出産できるような漢方薬がほしい」と二回目の翌日に来局。現在まだ少量の子宮出血が続いている。...もっと見る




