二人目ができない
【症例25】 32歳、 女性
身長160cm、体重52kg
症例キーワード: 不妊
主訴
二人目ができない。一人目はもう8歳になる。昨年、一年間病院でホルモン注射による治療を行ったが結果が出ない。基礎体温表は2層に分かれるものの高温期が短く、かつ連続しない。婦人科の器質病変はない
全身症状
二便 | 大便:1日1回。 小便:1日7~8回。色はほとんど無色透明。 |
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飲食 | 普通 |
全身 | 疲れやすい |
頭 | 肩凝りからの頭痛あり |
胃腸 | 特になし |
月経 | 周期(30~35日)、経期(5~7日間)、月経痛(下腹部、軽微)、 経血(色:暗赤色、量:平)、血塊(5㎜ほど×5個くらい)、初潮13歳 |
面 | 萎黄 |
舌 | 舌苔なし、舌質:赤紫、瘀点あり |
皮膚 | アザが出来やすい、外痔核あり |
四肢 | 強い冷え性、特に手部、足部。冬は靴下を二枚はいて寝ている。冷えのぼせあり。 |
血圧 | 100-54 |
脈拍 | 71/分 |
経過・結果
第1、2診不妊症の原因病理は多岐にわたるが、概ね血瘀、気虚、血虚、腎虚、虚寒などを念頭において問診を進めている。 処方1)芎帰調血飲第一加減(エキス散)6.0g/7.5g+当帰四逆加呉茱萸生姜湯(エキス散)6.0g/9.0g 分2×14日分×2回 |
第3診服用約1ヶ月にて、高温期が13日ほどになり、連続するようなる。30日目で月経となる。経血きれいになる。手は温まるが足の冷えは変わらず。そのまま処方1)を継続服用。 |
第4診〜服用後2ヶ月目で妊娠。妊娠確認後は安胎を目的に処方2)当帰芍薬散+補中益気湯に変更。順調に経過し、男児出産。2800グラム。安産なり。 当帰芍薬散(エキス散)6.0g/9.0g+補中益気湯(エキス散)6.0g/12.0g 分2×14日分~ |
考察
「二人目不妊」に芎帰調血飲第一加減を好んで用いている。「冷え」の顕著な場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯や五積散を、「疲労・倦怠」の顕著な場合は補中益気湯を併用してよい結果を得ている。
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