不妊
【症例75】 39歳、 女性
身長166㎝、体重47㎏、既婚。子供なし。
症例キーワード: 不妊
主訴
不妊。子供なし。妊娠歴なし。
月経周期28~30、期間4~5日間。経痛(微)、経血(量平、色平、血塊なし)。基礎体温表は二相に分離するものの高温相の立ち上がりが遅く、36.7℃を超える日が6~7日ほどしかない(黄体機能不全と思われる)。20代前半に多嚢胞性卵巣症候群の履歴あり(現在はない)。プロラクチンがわずかに高値。
病院でカバサール、デュファストン服用中。
夫は39歳、未検査。
全身症状
寒熱 | 強い冷え症。指先・つま先の冷えが強く、指先は冷えが強いときは真っ白になる。ただし冷えるのは仕事中だけで、仕事が終わった後や休日は冷えない。また布団に入るとすぐ温まる。 |
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二便 | 大便2日1行。緊張する語下利しやすい。 小便1日7~8行、夜間0行、色・量ともに平。 |
飲食 | 食欲(平)、飲水(平) |
全身 | 疲れやすい。 |
胸腹 | 胸焼けしやすい |
浮腫 | 下肢に少し |
睡眠 | 良好 |
心神 | 緊張しやすく、その時は手掌の発汗・動悸を伴う。もともと上り症 |
汗 | 手掌・腋下にでやすい。 |
頭 | 頭痛(肩こり由来、頚項強) |
面 | 面色白、舌質平、舌苔微白 |
嗜好 | 飲酒(機会飲酒)、煙草(-)。 |
皮膚 | 平 |
体型 | やや痩せ型、下腹墜張 |
四肢 | 肩こり |
血圧 | 92-60 |
脈拍 | 64 |
経過・結果
第1診平素から緊張が強く、これにより手足の冷え、緊張性下利・発汗が起こっていると考えられる。更にはこれが黄体機能不全に影響しているおそれも考えられる。そこでまずは緊張をほぐすことを第一の目標とする。 処方1)四逆散+桂枝加竜骨牡蠣湯 14日分 |
第2診高温期が上がってきた。手足の冷え(↓) 処方1) do. 14日分 |
第3診高温期36.7×12日間。手足冷え(-) 処方1) do. 14日分 |
第4診ここで直接的に妊娠対策をとる。 処方2)芎帰調血飲第一加減+補中益気湯+香附子 14日分 |
第5診体の芯が温まっている感じ。元気が出てきているのが実感できる。 |
第6診高温期36.7×14日間。現在、病院の薬はカバサールのみ。 処方2) do. 14日分 第6診後ひと月ほどしてから妊娠したとの報告あり。 |
考察
気と血とはともに全身を巡行している。気のめぐりが悪いと血もめぐらない。今回の場合、まずストレスによる諸症状の改善、つまり気の巡りをよくし、そののちに血の調理を行い成功した例である。
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