不妊 多嚢胞性卵巣症候群、クロミットとHCGで治療中。
【症例131】 31歳、 女性
身長166㎝、体重81㎏(肥満型)
症例キーワード: 不妊
主訴
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)。ネックレスサイン(+)。
現在、病院でクロミットと注射(HCG)で治療中。排卵はあったりなかったり。
AMH(2.19:39歳相当)。第一子もできにくく、体外受精で成功。甲状腺(問題なし)、プロラクチン(平)。
ニキビ(頬に多数あり)
全身症状
寒熱 | 冷え性 |
---|---|
二便 | 便秘傾向 |
飲食 | 平 |
婦科 | 周期(30~33日)、経期(5日)、月経痛(−)、経血(暗赤色、量少)、帯下(白、量多) |
浮腫 | 下肢に顕著 |
睡眠 | 良好 |
心神 | 良好 |
汗 | 平 |
胃腸 | 良好 |
経過・結果
【第1診】 多嚢胞性卵巣症候群は血瘀と考える。芎帰調血飲第一加減を基本とし、下肢浮腫顕著なことから当帰芍薬散を併用する。 処方1)芎帰調血飲第一加減(5.0/7.5g)+当帰芍薬散(4.5/9.0g) 分2 14日分×2回 【第3、4診】 尿量増加し下肢浮腫やや改善。肥満と便秘に注目。 処方2)芎帰調血飲第一加減(5.0/7.5g)+五積散(4.5/9.0g)+当帰芍薬散(4.5/9.0g) 分2×2回 【第5診~】 下腹部がとても柔らかくなった。便通も改善、毎日あり。 処方2) do.×14日分×6回 【第13診~】 妊娠成功。 |
考察
多嚢胞性卵巣症候群は難治である。
五積散は肥満型の多嚢胞性卵巣症候群の排卵促進に活用している。芎帰調血飲第一加減と併用して用いる。
類似する症例
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【症例133】 37歳、 女性
二人目不妊。
第一子は自然妊娠(帝王切開)。その後3年になるが第二子に恵まれず。
現症:基礎体温は二相に分かれ、排卵もある。高温期は36.7以上×10日あり。
ただ、高温期の内膜が4~5ミリと薄い。これまで人工授精3回行うも結果出ず。
4回目がダメな場合、体外受精にステップアップする予定。できれば人工授精で何とか結果を出したい。
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産婦人科の検査では器質的異常はないとのこと。黄体の機能が弱いことが考えられる。
【症例31】 28歳、 女性
結婚2年。産婦人科の検査では器質的異常はないとのこと。基礎体温表は二層に別れ、月経開始14日目前後に体温陥落日があり二相に分かれることなどから排卵はあるものと考えられる(現在産婦人科にてクロミット内服およびHCG注射を受けている)。ただ、排卵後高温期への移行に4~5日かかり、結果高温期が短い。これらのことから黄体の機能が弱いことが考えられる。
<併用薬>
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