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症例紹介

不妊 二人目不妊、3回人工授精するも結果出ず 子宮内膜薄い

【症例133】 37歳、 女性
身長154cm、体重46㎏、

症例キーワード: 不妊

主訴

二人目不妊。
第一子は自然妊娠(帝王切開)。その後3年になるが第二子に恵まれず。
現症:基礎体温は二相に分かれ、排卵もある。高温期は36.7以上×10日あり。
ただ、高温期の内膜が4~5ミリと薄い。これまで人工授精3回行うも結果出ず。
4回目がダメな場合、体外受精にステップアップする予定。できれば人工授精で何とか結果を出したい。
そのためには体質改善が必要と考え、漢方治療を希望、来局。

全身症状
寒熱 手足は冷え性、冷えのぼせ顕著
二便 大便:1日1行良好
小便:1日4~5行(夜間2行)
飲食 食欲(平)
婦科 周期(28日)、経期(5~6日)、経痛(−)、経血(量少)、帯下(清、量多)
全身 疲労倦怠(−)、妊娠後期に貧血にて鉄剤服用、白血球(2800)
浮腫 なし
睡眠 良好
心神 良好
平~自汗
舌質:淡胖・歯痕あり 舌苔:白
皮膚 手掌のひび割れ(+)、指頭の指紋が薄い

経過・結果

【第1、2、3、4診】

二人目不妊の治療には芎帰調血飲第一加減を基本に用いる。また、内膜が薄いこと、経血量が少ないこと、白血球が低いことなどから十全大補湯を選択。更に、貧血歴のあることから鉄剤を併用する。

処方1)芎帰調血飲第一加減(5.0/7.5g)+十全大補湯(7.5/10.0g) 分2 ×14日分×4回

処方2)ヘム鉄(適量)

【第5、6、7診】

4回目の人工授精の前に内膜の厚さを検査したところ5~6mmと薄く、中止となる。つまり処方1)はあまり効果を上げていないと判断した。

再考。下肢冷と顕著なのぼせ、手指の湿疹、帯下などから温経湯を選択。更に内膜の厚みを充実させるために補腎薬を併用することに。全身症状及び温経湯と相性の良さを考慮して八味丸を用いることにする。

処方3)芎帰調血飲第一加減(4.0/7.5g)+温経湯(6.0/12.0g)+八味地黄丸(4.5/9.0g) 分2 14日分×3回

処方2)ヘム鉄(適量)

【第8診~】

薬が切れてしばらく来局がなかったが、「処方3)を飲み終えたころ内膜を測定したところ8.5mmあり、4回目の人工授精を行い成功した」との連絡あり。

 

考察

不妊は血剤(ホルモン調整)だけではうまくいかないことも多い。
本案では血剤(芎帰調血飲第一加減+温経湯)と補腎剤(八味地黄丸)との併用がうまくいったようである。
不妊に補腎薬を用いるパターンを概ね以下のように考えている。
➀35歳以上であること
②黄体機能不全、無排卵、無月経のあるもの
③不妊治療で様々なホルモン剤を1年以上継続使用してきたもの
④子宮内膜の厚くならないもの、卵巣の萎縮のあるもの
実際に用いる補腎薬には
★八味地黄丸
★杞菊地黄丸 
★知柏地黄丸
★亀鹿二仙膠
★プラセンタ製剤
★牡蠣肉エキス
などがある。これらをそれぞれの症状に応じて用いている。

不妊のあらまし

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