カンジタ・クラミジア等の感染歴あり。ただし卵管閉塞。過去に人工授精を試みたが失敗している。

【症例32】 26歳、 女性
身長150cm、体重48kg
症例キーワード: 不妊
主訴
妊娠歴(-)。カンジタ・クラミジア等の感染歴あり。ただし卵管閉塞(-)。基礎体温表は、二層に分かれるものの排卵後の高温期への移行に4~5日かかり、結果高温期が短い。子宮筋腫(-)、子宮内膜症(-)、PCOS(-)。高プロラクチン血症(+)。現在、病院からのカバサール、デュファストン、クロミット(途中でセキソビットに変更)を服用中。過去に人工授精を試みたが失敗している。
全身症状
| 寒熱 | 冷え性。特に手指。冷えのぼせ(+) |
|---|---|
| 二便 | 大便4日1行で便秘症。 小便1日7~8行、夜間1行。色・量ともに平。膀胱炎になりやすい |
| 飲食 | 食欲(平)、飲水(平) |
| 浮腫 | なし |
| 睡眠 | 良好 |
| 汗 | 平 |
| 口 | 扁桃腺が腫れやすい |
| 目・耳・鼻 | 鼻炎あり |
| 月経 | 周期(34~40日)、経期(5日間)、経痛(下腹部、開始1日目、鎮痛剤(+))、経血(色・量ともに平)、血塊(10mm×2~3個) 舌:舌質(胖大、瘀点あり)、舌苔(白) |
| 体型 | ぽっちゃり型 |
| 血圧 | 132~90 |
| 脈拍 | 69/分 |
経過・結果
第1、2診カンジタ・クラミジア・膀胱炎など「下焦において化膿性の炎症を起こしやすい体質」が基礎にあるものと思われる。これに加えて高温期の弱さから「虚寒」が、月経の状態から「血瘀」があるものと思われる。よって、これらを治するため処方1)大黄牡丹皮湯+五積散+芎帰調血飲第一加減を用いることにする。 処方1)大黄牡丹皮湯(エキス散)3.0g/6.0g+五積散(エキス散)6.0g/9.0g+芎帰調血飲第一加減(エキス散)5.0g/7.5g 分2×14日分×2回 |
第3診処方1)服用25日目に来経(35日周期)、経痛(↓)、血塊(-)、血量(↑)。便通良好。そこで、さらに6週間処方1)を服用。その後2回目の人工授精を行い、妊娠成功。妊娠後は16週までは処方2)芎帰膠艾湯を、その後は出産まで処方3)当帰芍薬散を服用。予定日を5日過ぎて出産。 処方2)芎帰膠艾湯(エキス散)15.0g/15.0g 分2~ 処方3)当帰芍薬散(エキス散)9.0g/9.0g 分2~ |
考察
大黄牡丹皮湯は盲腸の漢方薬で有名であるが、盲腸に限らず、臍以下の化膿性炎症を起こしやすく、便秘を伴う血瘀に広く用いることが出来る。クラミジア等感染の履歴があると癒着をおこしやすくしばしば治療に抵抗するが、この症例ではそれがなかったので比較的早く成功にこぎつけた。
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基礎体温表は二相に分かれるものの高温相が弱い(黄体機能不全か)。現在病院でクロミット・デュファストンの内服およびゴナドトロピン注射を行っている。
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