過去2回流産あり。多嚢胞性卵巣症候群(以下PCOS)と診断されている。

【症例34】 30歳、 女性
身長159㎝、体重51㎏
症例キーワード: 不妊
主訴
過去2回流産あり。多嚢胞性卵巣症候群(以下PCOS)と診断されている。
全身症状
| 寒熱 | 手冷(-)、手掌煩熱(-)、足冷(+) |
|---|---|
| 二便 | 大便2日1行。 小便1日5~6行、夜間0行、色・量ともに平 |
| 飲食 | 食欲(平)、飲水(平) |
| 胸腹 | 良好 |
| 浮腫 | 夕方、膝以下に少しあり |
| 睡眠 | 良好 |
| 心神 | 良好 |
| 汗 | 平 |
| 口 | 唇の乾燥(++) |
| 頭 | 経前に頭痛あり |
| 目・耳・鼻 | 良好 |
| 月経 | 周期(32~42日)、経期(5日間)、経痛(下腹部、開始1~2日目)。経血(量:平、色:濃)、血塊(微量)、基礎体温表はつけていない。不定期の子宮出血(少量)あり。 面・舌:面色:微黄、舌質:淡・嫩、舌苔:微白、左舌辺に2㎜ほどの瘀点が2個ある。 |
| 嗜好 | 飲酒(-)、煙草(-)、嗜好品(-) |
| 体型 | 平 |
| 四肢 | 肩こり、右下肢のしびれあり |
| 血圧 | 105-67 |
| 脈拍 | 57 |
経過・結果
第1、2,3,4診流産後の不妊には2段階の治療戦略をとるようにしている。まず第一段階として流産によって生じた血瘀を取り除き、第二段階として適宜本来の体質に基づいた薬方を用いる。 その第一段階として処方1)芎帰調血飲第一加減を用いる。 処方1)芎帰調血飲第一加減30.0/47.0g(煎じ薬) 28日分×4回 芎帰調血飲第一加減 |
第5,6診流産後の不妊には2段階の治療戦略をとるようにしている。まず第一段階として流産によって生じた血瘀を取り除き、第二段階として適宜本来の体質に基づいた薬方を用いる。 その第一段階として処方1)芎帰調血飲第一加減を用いる。 処方1)芎帰調血飲第一加減30.0/47.0g(煎じ薬) 28日分×4回 芎帰調血飲第一加減 |
第7診処方2)14日分×2回で妊娠成功。その後は安胎のため処方3)紫蘇和気飲に変更。また、病院にてデュファストンが投与され、これと併用することとなった。その後予定より5日ほど遅れて出産。安産なり。 処方3)紫蘇和気飲25.0/25.0(煎じ薬) 紫蘇和気飲 |
考察
流産を含めた産後の病変には芎帰調血飲第一加減が著効を発揮する。今回も二段階の戦略がうまくいった。温経湯は月経周期の異常を伴う不妊に好んで用いている。『金匱要略』に言う「崩中去血、或月水来過多、及至期不来」の応用である。また、これに「唇口乾燥」あるいは「手掌煩熱」を伴うことも多い。今回の場合は「手掌煩熱」はなかったものの「唇口乾燥」が顕著にあった。
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